老眼鏡のように補聴器を使いましょう
最近、テレビの音量を大きくしていたり、話している言葉が聞き取り辛いと思ったことはありませんか?
小さな文字が読み辛いと感じて使い始める老眼鏡のように、耳の聞こえが悪いと感じたら補聴器を付けましょう。
「まだ私は大丈夫」と思っていても実際にはかなり症状が進行している方が数多くいらっしゃいます。
軽度の加齢による難聴は30代から始まる方もいらっしゃいます。ただ、加齢による難聴は言葉の聞き取りにはあまり関係しない高い周波数から進行していくためなかなか気づかないことが多いのです(※1)。
脳はとても賢いため、聞こえない・聞き取れない部分を脳で補完するため、軽度の場合会話に不自由することはありませんが、1時(いちじ)と7時(しちじ)を聞き間違えたり、名前を聞き取れず相手に失礼となることも考えられます。また、自分の声も小さく聞こえると必要以上に声が大きくなるため相手に不快感を与えてしまうこともあります。
さらに、耳の聞こえが悪い状態での外出は周りの状況を的確に捉えることが難しく、後ろから近づいてきた自転車や車の音に気づかない、たとえ周りの人が危険に気づいて声を掛けても聞き取れないため、事故に遭遇する可能性も高くなります。
聞こえが悪くなり耳からの刺激が少なくなると脳の認識能力も衰えていくため、症状が軽い早期のうちに補聴器を使い始めることが良い状態を維持するポイントとなります。
※1
人の耳は20Hz〜20kHzの音を聞き取ることができると言われています。その中で言葉に含まれるエリアは500Hz〜4kHz。
現在はデジタル補聴器が主流
以前は簡単な音処理のみを行うアナログ補聴器がありましたが、最近はほとんどがデジタル補聴器と呼ばれる補聴器になっています。
デジタル補聴器の利点は取り入れた音をデジタル処理することが可能なため、正面からの音を聞きやすくする、会話以外の音や雑音を減らす、ハウリングを減らすことが可能となっています。
補聴器の種類
最近主流の補聴器には3つの種類があります。
耳穴型(挿耳型)補聴器
サイズが最も小さく外耳道内にすっぽりと収めるタイプ。(CIC型補聴器、カナル型補聴器、フルシェル型補聴器)
ほとんどの場合耳の形を取りオーダーメイドで作られます。
レシーバーが鼓膜面に近いため効率が良い、外部から見て補聴器装用を気づかれにくい利点があります。
また、出ている部分が少ないため、帽子、電話を使っても邪魔になりません。
ハウリングが生じやすい短所があります。
価格は10万円〜50万円 (※2)
耳かけ型補聴器
補聴器本体と耳に入る部分がチューブで繋がっており、本体は耳の後ろに掛ける。
最近では軽量化・小型化が進んでおり目立ちにくくなってきています。
デザイン・ファッション性を取り入れたカラフルな色のものもあります。
眼鏡を常用している場合、掛ける部分が干渉する短所があります。
価格は10万円〜50万円 (※2)
ポケット型補聴器
補聴器としては最初に作られたタイプ。
レシーバーと本体がコードで繋がっており、本体はポケットや付属のケースで首から下げる。
単三や単四の電池を使うため電池が安価で長持ちします。
本体やコードが邪魔になる短所があります。
価格は5万円〜10万円 (※2)
その他にも「メガネ型補聴器」「骨伝導型補聴器」「埋め込み型補聴器」があります。
※2
価格は目安です。