2015年度税制改正のポイント

2015年度の税制改正において、シニア世代に関わる大きな改正があります。

住宅取得等資金贈与の非課税枠が拡大

子や孫など直系尊属から住宅購入や建築・リフォームの資金として贈与を受けた場合、一定の金額まで贈与税が非課税になります。
今回の税制改正によって非課税枠の上限が1,000万円から3,000万円に引き上げられました。
ただし、この最上限枠3,000万円が適用されるのは、消費税率が10%になった場合に適用され、省エネや耐震性などの一定の基準をクリアした住宅を取得する場合に限られます。
またこの場合、個人が売主の中古物件は課税対象となりませんし、税制上の「質の高い住宅」(※1)に適合するケースはあまり多くないため1,000万円が上限になると思われます。
とはいえ、一般的にはこの非課税枠内に収まるケースが多いのではないかと思われます。

※1 質の高い住宅
断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4をクリアした省エネ性能の高い住宅
耐震等級2以上などの耐震性の高い住宅
高齢者等配慮対策等級3以上のバリアフリー性の高い住宅

結婚・子育て資金に係る贈与税の非課税措置

2013年4月にスタートした「教育資金贈与」は、子や孫世代への非課税贈与に関するものですが、教育資金贈与という名前でわかるように用途が「学校の入学金」「授業料」「習い事」といった直接的なものや「学用品」「修学旅行費」「通学定期代」等に制限されていました。
今回の改正では「結婚・子育て資金」項目が新設され、非課税贈与が可能な範囲が大きく広がりました。

「結婚・子育て資金」の定義

国税庁「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」のパンフレットには以下のように掲載されています。

結婚に際して支払うもの

1. 挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露)費用(婚姻の日の1年前の日以後に支払われるもの)
2. 家賃、敷金等の新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるもの)

妊娠、出産及び育児に要するもの

1. 不妊治療・妊婦健診に要する費用
2. 分べん費等・産後ケアに要する費用
3. 子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッター代を含む)など

今回の改正により、いままで教育に関わる本人への用途から、育児=孫の世代までの資金についても非課税贈与が可能となりました。

詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。

国税庁のホームページ